クワガタの幼虫飼育方法

ここではクワガタの幼虫の飼育方法について解説します。

国産のクワガタ、ノコギリクワガタやミヤマクワガタ等をメインに解説しますが、基本的な飼育方法はどのクワガタもさほど違いはありません。

外国産のクワガタについても飼育する温度や使用するマットなどについて調べておけば、かなりの部分が参考になると思います。

クワガタの幼虫飼育、卵回収について

クワガタの幼虫、卵の回収

産卵セット後1.5ヶ月〜2ヶ月、もしくはメスを取り出してから1〜1.5ヶ月経過したら幼虫の回収を行います。

どんな大きさの幼虫が出てくるのか?楽しみな作業の一つです(^^)

人によっては回収期間を短くし、卵の状態で回収する人もいる人も居るようです。しかし、私はいつも幼虫の状態で回収します。

カブトムシの場合は卵の状態で回収しても問題ないですが(一部の外国産は除く)、クワガタの場合は卵の孵化率が低下してしまうからです。

プリンカップ

ですので、私の場合はほとんどの場合幼虫になってから回収します。

幼虫の回収にはケース内の土を衣装ケースなどの大き目の入れ物にあけてから探します。

ケースの土をスプーンなど掘りながら幼虫を探しても良いのですが、誤って幼虫を傷付けてしまう事が多いため、一旦土を衣装ケースなどの大き目の入れ物にあけた方が失敗が少ないと思います。

あとはゆっくりと土のかたまりを崩しながら幼虫を探します。

見つかったクワガタの幼虫はプリンカップと呼ばれる小型の透明カップや瓶などに入れていきます。

クワガタの幼虫飼育、プリンカップでの飼育について

クワガタ飼育瓶

クワガタの幼虫は瓶などでの個別飼育が基本となります。

それに対してカブトムシの場合は飼育ケースや衣装ケースなどによるまとめ飼いが可能です。
(もちろんカブトムシの個別飼育も可能です)

クワガタを個別飼育する理由としては、クワガタの幼虫をまとめ飼いするとケンカして数が減ってしまうからです。

飼育スペースの関係上まとめ飼いされる場合は、数が減る事を覚悟する必要があります。

まとめ飼いしても、大きい幼虫だけが生きのければ良いのかもしれまんが、幼虫については大きいのが強いとは限らないようで、いつのまにやら一番大きい幼虫が居なくなってしまったりとか思うようにいかないようです。

飼育容器についてですが、幼虫が小さいうちはプリンカップと呼ばれる透明のカップで飼育するとよいでしょう。

プリンカップのノコギリクワガタの幼虫

もちろん最初から大きい容器で飼育されてもかまいません。飼育スペースに余裕があるのであれば大きい方が良いと思います。

だいたいノコギリクワガタやミヤマクワガタで、200ccプリンカップで約1ヶ月飼育し、次に600ccの飼育瓶に入れ替えます。

外国産のクワガタで大きく育つクワガタの場合は、様子をみて狭そうなら早めに大きな容器に移し変えたり、最初から大き目の容器を使った方がより大きく育つでしょう。


幼虫を移し変えるプリンカップや瓶へのマット詰めは3日〜1週間前に準備しておきましょう。

これは瓶へのマット詰めの際に、マットに水を加えて水分量の調整をすると思いますが、マットの種類や飼育温度によってはマットの再発酵という現象がおこり、マットの温度が急上昇する事があるからです。

もしマットの再発酵がおきてしまうと、最悪の場合幼虫が全滅する場合があるため注意が必要です。

酵度合いの低い薄茶色のマットを使った場合や、異なる種類のマットを混ぜ合わせたりする事で発生する事が多いようです。

とは言っても、何匹の幼虫が回収できるかわかりませんし、当日プリンカップや瓶にマットを詰め、すぐにクワガタの幼虫を入れてしまう事もありますけど(^^;

トラブル回避のために、クワガタ幼虫をプリンカップや瓶に移し替えた時は、異常が発生していないか暫く定期的にチェックしましょう。

クワガタの幼虫飼育、瓶での飼育について

ヒラタクワガタの幼虫

幼虫の育ち具合をみてプリンカップが狭そうだったり、200ccのプリンカップで1ヶ月以上経過している場合は、瓶への移し替えを行います。

移し替えの目安としては、200ccのプリンカップで約1ヶ月程度、瓶で2〜3ヶ月です。

幼虫の育ち具合がよく、大きく育てるためにも早めに大き目の瓶に入れ替えましょう。

瓶の入れ替えを行った時、幼虫がマットの上部でうろうろしている事があります。

3日〜1週間程度たっても全然潜らない場合は注意が必要です。

このような現象はマットを別のメーカーの物に換えた場合や、マットの再発酵や水分調整が上手くいっていない場合によくおきます。

このような場合は、まずマットの匂いをかいでみて異常がないか確かめて下さい。

マットが土のような匂いでなく、臭かったり変な匂いがする場合は要注意です。
代わりのマットを準備しましょう。

もしマットに問題が感じられない場合は、上部のマットを少し減らして元の古いマットを入れてあげる事で慣れて潜っていってくれる事があります。

私の場合はこの方法でだいたい上手くいっています。

クワガタの幼虫飼育、冬の温度管理について

国産のクワガタの幼虫であれば0度を下回らなければ問題なく越冬してくれます。

だいたい10度を下回る環境ですと全く動かなくなり冬眠状態になるようです。

これでも問題はありませんが、理想的には10度を下まわらない、可能なら15度程度の環境を準備してあげる事で、しっかり冬を感じながらも少しずつ餌を食べる状態となります。

このような環境を準備してあげる事でより大きな成虫に育ってくれます。

ですので、例えば2Fの物置などの暖かめの置き場所がないか探してみて下さい。

クワガタに冬を感じさせてあげる事はとても大切で、季節を感じない幼虫は夏が来ても蛹化しない、俗にいうセミ化と呼ばれる状態になる事があります。

もしこのような状態になった場合は、冬を感じさせてやる必要があります。

私は試していませんが冷蔵庫等を利用して一時的に冬を体感させるような、ショック療法的なやり方で羽化させる方法もあるようです。

クワガタの幼虫飼育、蛹化について

ヒラタクワガタの蛹

夏が近づく5月〜7月になると蛹室と呼ばれる部屋を作って、蛹になる準備をします。

楕円形の部屋を作りはじめ、その部屋を形にそって土の色がかわってくるので直ぐわかると思います。

蛹室を作り出したらショックを与えないように注意しましょう。

まれに瓶の底に蛹室を作ってしまう幼虫がいますが、瓶底に蛹室を作った場合は羽化に失敗する可能性があるため注意が必要です。

これは蛹から成虫に羽化する時に水分が放出され、その水分で瓶に羽などの身体の一部がひっついてしまうなどのトラブルが発生するからのようです。

このような場合はそっと瓶をひっくり返してあげましょう。

ミヤマクワガタの蛹

ノコギリクワガタやミヤマクワガタなど国産のクワガタの場合は、一年で羽化せずに二年間幼虫でいる場合があります。

温度を高めで管理していると早く羽化するようですが、低温で飼育していると二年がかりになる事が多いようです。

家ではきちんとした温度管理をしていませんので約半数が一年で羽化し、残りが二年で羽化している感じです。

オオクワガタなどのドルクス属のクワガタも低温飼育すると二年間の幼虫期間になります。

ただオオクワガタの場合は私も含めて温度管理下で菌糸瓶を使い一年で成虫にしてしてしまう方が多いと思います。

クワガタの幼虫飼育、羽化について

ヒラタクワガタの羽化

蛹になってから約1〜1.5ヶ月経過すると羽化します。

羽化の様子についてはヒラタクワガタの羽化写真をご覧下さい。

羽化してから完全に身体が固まるまで約1ヶ月間かかります。

ノコギリクワガタやミヤマクワガタなどの国産のクワガタで、春〜初夏など早い時期に羽化した成虫はその夏に出てきて活動をする事もあるようですが、私の経験で翌年に活動を開始するクワガタが多いように感じます。

クワガタの身体が完全に固まった頃を見計らって、そっと取り出してその姿を確認し小さい容器に入れ替えるなどはOKですが、あまり触ってばかりいると早く死んでしまう事があるため注意が必要です。

出来る限りそっとしておいてあげましょう。

ヒラタクワガタの成虫

こう考えるとノコギリクワガタやミヤマクワガタの飼育はとっても気長な飼育になりますね。

これが国産のカブトムシの飼育ですと、卵から成虫までが一年でかつまとめ飼いもできますし、大きな衣装ケースを使えばマットの交換もあまりしなくても育ってしまうので凄く楽だと思います。

ただし、私の知人にはクワガタをほったらかしで飼育している人もいます。

やり方は、大き目のケースにちゃんとクワガタの餌になるマットと産卵木などを産めて普通にペアで成虫を飼育するだけです。

あとはたまに霧吹きをしてあげるくらいで、秋になると幼虫がちらほら見えてきますが特に何もせずほったらかしです。

翌年の夏になるとクワガタが増えているそうです(笑)

数は少ないですし、あまり大きくならないと思いますが、そういう飼い方もあるようです。
(飼っているって言えるのかわかりませんが、お子さんは喜んでいるようです(^^))